本文へスキップ

Physical Chemistry Laboratory, Hokkaido University

研究紹介RESEARCH

研究概容

当研究室では、物理化学をベースに、メソスコピック領域にある無機・有機材料の合成ならびに構造制御を行い、物質系そのものに新しい機能を賦与・発現させる研究を行っています。種々の手法を用いて金属や半導体の微小構造を構築します。そしてその微小構造に特有の物性を積極的に活用し、電子や分子、イオンの流れを人為的に制御する場を形成します。これらの研究を進めることにより、化学エネルギーや光エネルギー、さらに熱や運動エネルギーなどを相互に自在変換することが可能な新しいエネルギー変換システムが構築されると考えています。

研究概要について」(北大広報誌「リテラポプリ 2012年50号」)

(研究内容1)

単層カーボンナノチューブ(SWNT)は、その一次元的構造により離散化した電子準位を有しており、この特徴を利用して光・触媒材料として注目されています。我々は、これら特徴を分子レベルで理解するため、表面増強ラマン散乱(SERS)を利用し、SWNTの局所構造や触媒活性能を評価する研究を行っています。また、電気化学プロセスによる構造制御されたナノカーボン材料の作製も同時に試みています。

(研究内容2)

極微少量分子の超高感度認識は、メソスコピック材料の機能評価に欠かせない技術です。困難な点は、この超高感度分子検出・認識をターゲットとする機能発現の場において高速にリアルタイムにて行わなくてはならないことにあります。我々はこの問題を解決するために上記の溶液内金属微小構造制御の技術を用いて、表面増強ラマン散乱の増強率を任意制御することを試みています。現在、金属ナノワイヤ・薄膜の系において、単一分子レベルの信号を与える系を探索しています。

(研究内容3)

ナノ空間においては、分子の運動性や分子集合体の物性に変調が現れることがあります。我々はこれらを積極的に利用することで、ナノ空間に特有の現象に基づいた分子運動の制御法の提案、さらにこれを拡張し、特定の分子のみを特定の方向へ排斥するといった分子分離法を提案してきました。これらは、21世紀にて発展が期待されているナノデバイスにおいて駆動させる分子操作ユニットとして応用が期待されます。

(研究内容4)

数十nmのサイズ領域での効率的な構造形成は、一般に困難であるといわれています。我々は、このサイズ領域の新しい構造形成手法を開発するために、数十nmのサイズ領域にある金属微粒子に特有の光と電場応答を利用することを試みています。一般に、粒径が数nmから数十nm程度のAu, Ag, Cu等の金属微粒子は、表面プラズモン励起に起因する特徴的な光学吸収を紫外から近赤外領域に有します。この励起によって生ずる電場は、金属の微小構造に異方性がある場合、特定の場所に局在化することが予測されており、その励起モードは金属の種類、周囲の媒体、形状と照射する波長、偏光方位によって制御が可能です。従って、この局所励起電場を利用して金属の局所的な析出・溶解反応を誘起できれば、数十nmオーダーで金属の微小構造制御が可能となります。


(研究内容5)

単層カーボンナノチューブ(SWNT)は、その直径とカイラリティにより連続的にポテンシャルエネルギーが変化する電子準位を有するため、電子のエネルギーを規定する機能単位として応用が期待されています。しかしSWNTの構造に依存した電子構造の詳細については多くの研究によりその特徴が明らかとなっているものの、それらのエネルギーレベルの絶対電位についての情報は限られており、単一個々のいわば単分子SWNTについては構造が変化しても”フェルミ準位の絶対電位は同じぐらい”との認識が大勢を占めていました。我々は、顕微ラマン分光と電気化学的な物質の絶対電位を制御する手法を組みあわせて、孤立単一SWNTのフェルミ準位の絶対電位の構造依存性を検討しました。その結果、チューブの直径やカイラリティに依存して非常に大きくフェルミ準位の絶対電位が変化することがわかりました。これにより単一のSWNTを用いたデバイス設計の指針が与えられました。


バナースペース

北海道大学大学院理学研究院
化学部門 物理化学研究室

〒060-0810
北海道札幌市北区北10条西8丁目

TEL 011-706-2704
FAX 011-706-4810