2013年6月13日
【第32回】染色体をつくる
講演者
舛本 寛 先生
(かずさDNA 研究所・ヒトゲノム研究部・細胞工学研究室・室長)
日時
平成25年6月13日(木) 16:30-18:00
場所
北海道大学理学部 本館 N-308室
概要
染色体分配機能に関わるセントロメアでは、その外側部にセントロメアクロマチンの集合とともにキネトコア構造が形成され、微小管との相互作用により染色体の動きを調節する。一方、セントロメアの内側部ではヘテロクロマチンが形成され、染色分体分離のタイミングを調節する。このセントロメア外側と内側の機能が正しく制御されることで染色体は安定に次世代細胞へと受け継がれる。哺乳類セントロメアは反復DNA(サテライトDNA)からなる巨大領域に形成されるが、同一サテライトDNA 上にセントロメアクロマチンやヘテロクロマチンなどの性質の違うクロマチン構造がエピジェネティックに集合するメカニズムについては不明であった。私達は合成サテライトDNA をヒトやマウスの細胞へ導入し人工染色体として独立に安定維持される条件を確立し、セントロメアクロマチンやヘテロクロマチンが集合するメカニズムの解明を進めてきた。さらに、得られた知見を利用し人工染色体上に各種融合ヒストン修飾酵素などを結合させ、自在にクロマチン構造やセントロメア機能を変換できるシステムを構築した。セミナーでは人工染色体を用いたセントロメア機能形成の研究を中
心にお話しする予定です。
主催
生命分子化学セミナー
共催
日本生化学会北海道支部、日本生物物理学会北海道支部
連絡先
北海道大学 大学院理学研究院 化学部門
生物有機化学研究室
村上 洋太
TEL: 011-706-3813