2011年6月7日
【第26回】相同組換えにおけるDNA鎖交換の分子メカニズム
講演者
岩崎 博史 先生
(東京工業大学大学院 生命理工学研究科 教授)
日時
平成25年6月7日(火) 16:30-18:00
場所
北海道大学理学部 7号館 7-219/220室
概要
相同組換え反応における中心的な反応は、相同な2分子のDNA 間での鎖交換
反応である。この反応を司る蛋白質はリコンビナーゼと呼ばれ、バクテリア
のRecA、真核生物ではRad51 やDmc1 が知られている。これらは、その蛋
白質の一次構造が保存されており、RecA ファミリーリコンビナーゼと呼ばれている。これまでのRecA 蛋白質の詳細な解析から、鎖交換反応の分子メカニズムは良く分かっているように誤解されがちだが、実際は、未だに重要な問題が未解決のままである。例えば、鎖交換反応によって、相同組換えの普遍的な反応中間体であるHolliday 構造ができると信じられている。実際、RecA蛋白質の場合は、約30年前に、このことがin vitro で証明されているが、真核生物型リコンビナーゼの場合は、その証明が無いまま、2008 年まで至っている。また、真核型リコンビナーゼの場合は、その鎖交換活性を完全に発揮するためには、多くの補助因子を必要とするが、そのメカニズムは不明のままである。本セミナーでは、我々がこのような問題にどのように取り組んでいるのか紹介し、議論を誘起したい。
主催
生命分子化学セミナー
共催
日本生化学会北海道支部、日本生物物理学会北海道支部
連絡先
北海道大学 大学院理学研究院 化学部門
生物有機化学研究室
村上 洋太
TEL: 011-706-3813