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疎水性Ru色素を活用した脂質二分子膜担持光水素生成系の構築

2023年05月16日

 

 

光触媒の溶媒に対する分散性は触媒活性を左右する重要因子ですが、それを自在に制御する方法は乏しいのが現状です。本研究ではこの問題を打破するべく、光増感剤として有名なRu(II)錯体に疎水性アルキル鎖を4本導入し、酸化チタンナノ粒子表面へ担持させました。この疎水性光触媒ナノ粒子は水に対する分散性が乏しいものの、両親媒性脂質二分子膜(ベシクル)と組み合わせることで劇的に分散性が向上し、光触媒活性も3倍以上にも向上することを見出しました。本成果は光触媒活性を向上させる表面改質法の基礎的知見を与えるとともに、疎水性を活用した光触媒インクの創出にもつながる貴重な成果と位置付けできます。

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