研究紹介

 
 

固体化学研究室での研究


 固体物質の中でも、有機分子や金属錯体を構成要素とする分子性結晶を対象に、新しい機能物質の開発に向けて、物質設計・機能設計、結晶成長、構造解析、電気・磁気・光学物性測定などの研究を行っています。


 分子結晶を構成する「分子」と「分子」の間には「分子間力」が働き、高い配列秩序を持った結晶となっていますが、無機結晶での結合力(イオン結合、共有結合、金属結合等)に比べると成分間を結びつける力がかなり弱い点が特徴です。そのため、機械的な強度は無機結晶に劣りますが、構成する分子を自由に設計できることから、分子結晶のバリエーションは無限にあると言えます。また、結晶の性質は、構成する分子の性質ばかりではなく、分子間相互作用や分子配列により多様に変化することから、構成分子や分子配列を適切に設計することで、分子結晶でも金属的な電気伝導性や磁石としての性質を生み出すこともできます。


 固体化学研究室では、π共役系有機分子を構成成分とする電荷移動錯体結晶や大環状π共役系配位子金属錯体を構成成分とする結晶、有機分子と無機骨格を複合した有機無機ハイブリッド化合物、有機化合物の単結晶表面、界面を対象として、以下のような研究を行っています。