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Physical Chemistry Laboratory, Hokkaido University

研究紹介RESEARCH

研究概容

物理化学研究室では、エネルギーの究極的な有効的な活用を目指して、「物理化学」、特に電気化学を基盤に様々な研究に取り組んでいます。特に、光の照射によって引き起こされる金属ナノ構造中の集団振動である局在プラズモン共鳴が引き起こす非常にユニークな現象に注目しています。金属ナノ構造や界面電子状態等の因子を精密に制御することで系の光学応答の革新的な変調に取り組んでいます。

研究概要について」(北大広報誌「リテラポプリ 2012年50号」)

電気化学的手法による強結合系の自在制御

金属ナノ構造近傍に色素分子や半導体ナノドットが存在し、その励起エネルギーがプラズモンのエネルギー準位と近接する場合、プラズモンー励起子間には強結合状態と呼ばれる電子混成状態が形成します。強結合状態が形成すると、系の光吸収能が飛躍的に増大するために、光エネルギーの有効利用が達成されます。我々の研究室では、電気化学手法によりその光応答特性の変調に取り組んでおり、より高効率に光エネルギーの有効利用を目指しています。

プラズモン分子トラッピング

プラズモンが誘起されると、金属ナノ構造の近傍には光エネルギーがナノ空間に高度に局在した光電場空間が形成します。光電場空間内では光エネルギーが局在化するため、強い勾配力が働き、分子のブラウン運動を超えて分子挙動を制御し得ることが理論計算により近年明らかになっている。我々の研究室では、ブラズモン分子トラッピングの確立に向けた取り組みを行っており、世界で初めて表面増強ラマン散乱観測法を用いることで、光分子トラッピング挙動の観測に成功しています。現在は電気化学手法を導入することで、分子選択的なプラズモン分子トラッピングの高度化に取り組んでいます。

プラズモニック光電変換系の構築

本多ー藤嶋効果で知られるように、半導体電極に光を照射すると、光のエネルギーを電気エネルギーに変換できることが知られています。しかしながら、酸化チタンに代表される半導体電極は、その広いバンドギャップエネルギーのために使用可能な光が紫外光に制限されます。近年、プラズモン構造を表面に担持すると、プラズモンの緩和過程において生成する電子の利用が可能になるため、電極が吸収する光の波長が広がることが明らかになりました。我々の研究室では、これまでにプラズモニック光電変換系と呼ばれる本系の詳細な電荷移動プロセスについて光電気化学手法により明らかにしてきました。現在は、グラフェンを用いた系の高効率化や還元プロセスの開発に取り組んでいます。


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