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最近の研究結果

蒸気で色と磁性を同時に変えるニッケル(II)錯体

 

 2017ParamitaANIE

 

平面四角形型では反磁性、八面体型では常磁性を示すニッケル(II)の性質を利用して、蒸気曝露による色と磁性のスイッチングを試みました。具体的には、平面四角形型のニッケル(II)錯体に対してメタノール蒸気を曝露することで、メタノールが軸位に配位した八面体型の錯体へと可逆的に変換することに成功し、それに伴って錯体の色と磁性とを同時にスイッチングすることができました。

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CdSe量子ドットの表面保護配位子が光触媒能に与える影響

 

 2016SawaguchiJPPA

 

CdSeナノ結晶(量子ドット)は強発光や光電子移動能を示すことから光水素発生に多く用いられています。量子ドットの表面は粒径維持や分散性の確保のために表面保護配位子で覆われていますが、この表面保護配位子が水素発生に及ぼす影響については議論されてきませんでした。実際に3種類の配位子を用いて比べてみたところ配位子によって溶液内での凝集状態が顕著に変化し、それに応じて水素発生効率の向上がみられました。

PCPの結晶サイズ縮小と、その次元性に依存したゲスト応答挙動の変化

 

 2016SaitohCGD

 

ルテニウム(II)錯体配位子からなる2種類の多孔性配位高分子(PCP)に対して、結晶サイズの縮小が与える効果を検討しました。このうち、二次元シート構造をもつPCPではメゾサイズの結晶においてもバルク結晶と同様にゲスト分子の吸脱着に伴う非細孔構造への転移がみられたのに対し、三次元格子構造をもつPCPではバルク結晶と異なりゲスト分子の脱着後にも細孔を保っていることが判明しました。

プロトン着脱による白金(II)錯体のベイポクロミック挙動のスイッチング

 

 2016OizumiDalton

 

カルボキシル基を有する白金(II)錯体が、プロトンの着脱に伴いそのベイポクロミック特性を大きくスイッチングできることを見出しました。この錯体はプロトン化された状態では親水性が高いのに対し、脱プロトン化することで疎水性が向上し、それに伴って水蒸気や有機溶媒蒸気への応答性が顕著に変化します。また、このプロトン着脱は錯体の粉末に直接酸・塩基蒸気を曝露するだけで可逆的に行うことができます。

キノノイド型両座配位子への金属の配位による共役系の段階的変化

 

 2016ParamitaDalton

 

12π電子系をもったキノノイド型両座配位子に対し、段階的に金属イオンを配位させることで共役系へ与える影響を比較しました。具体的には、この配位子をもつ白金(II)単核錯体に対して新たに白金(II)やパラジウム(II)を配位させたところ、配位子の電子系が芳香族性を帯びるとともに配位子内遷移にともなう吸収が大きく変化し、カラフルな色の変化をみせました。

★ Dalton Trans.誌の内表紙に選ばれました!

キレート配位子の系統的な置換による銅(I)複核錯体の発光色制御

 

 2016OkanoIC

 

発光性銅(I)錯体は次世代の発光材料として有望ですが、その多くは溶液中で分解しやすいという問題点があります。そこで、ジホスフィンキレート配位子によって安定性が確保された銅(I)複核錯体に注目し、このジホスフィン配位子上の芳香環に窒素原子を段階的に導入することで、溶液中での安定性と緑色からオレンジ色までの幅広い発光色制御の両立に成功しました。

チオラート架橋銅(I)多核クラスターの骨格に依存した発光挙動の変化

 

 2016ShimadaJPC

 

中心骨格として2核、4核、6核のクラスター構造をもつチオラート架橋銅(I)錯体Cu2Cu4Cu6をそれぞれ選択的に合成しました。これらのクラスターは、その骨格に依存して発光色のみならず発光挙動まで変化させます。例えばCu2Cu4は室温で遅延蛍光、低温でリン光を示すのに対し、Cu6はクラスター中心の3重項励起状態に由来する顕著なサーモクロミック発光を示しました。

配位性官能基を導入したルテニウム(II)錯体を用いた光酸素発生反応

 

 2016FurugoriCL

 

配位性官能基としてホスホン酸基またはスルホン酸基を導入した光増感能を有するルテニウム(II)錯体(RuCP2とRuCS2)を合成しました。RuCS2は2種類検討した酸素発生触媒のどちらを用いた場合でもRuCP2よりも酸素発生量が多いことを見出しました。また、RuCP2をTiO2ナノ粒子に固定した光増感剤はRuCP2分子単体の光増感剤よりも酸素発生量が増加することも明らかになりました。

強発光性銅(I)錯体の選択的すりつぶし合成とすりつぶし配位子交換

 

 2016HasegawaIC

 

ヨウ化銅と配位子に溶媒を数滴加えてすりつぶすことで、黄緑色強発光性のCu(I)錯体が合成可能であることを見出しました。この系では三座配位の配位子を用いたため副生成物が発生せず、目的物が単成分で得られます。また、Cu(I)アセトニトリル錯体を原料として合成した類縁体にヨウ化カリウムと数滴の水を加えてすりつぶすことで、配位子交換反応が進行し、青色の弱い発光から黄緑色の強発光へと変化します。

形状記憶能を有するベイポクロミック白金(II)錯体結晶

 

2015ShigetaCEJ

 

水素結合ドナー・アクセプター部位を有する配位子を用いた白金(II)錯体を合成しました。この錯体は特定の蒸気吸着によって水素結合に由来した多孔質構造を構築し、蒸気を失ってもその細孔を維持する一方で、すり潰す事で多孔質構造を持たない始状態へと戻す事が可能な「形状記憶能」を示します。またこの細孔構築前後で蒸気吸着特性やベイポクロミック挙動が異なるという、形状記憶能を利用した外部刺激(すり潰し)による蒸気応答性のON-OFFが可能である事を見出しました。 

★ Chem. Eur. J.誌の裏表紙に選ばれました!

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