錯体化学研究室 > 最近の研究結果 > 白金(II)ヒドラゾン錯体の光誘起C–N結合生成

白金(II)ヒドラゾン錯体の光誘起C–N結合生成

2014年03月22日

 

2014Yamamoto-Horiki-IC

 

プロトンを可逆的に吸脱着可能なヒドラゾンを有する金属錯体に対して、可視光を照射するとニッケル錯体では何も起こらないのに対して、白金錯体では速やかに色が変化しヒドラゾン部位が光酸化された単核錯体と、ヒドラゾン部のCおよびNで新たに共有結合を介して二量化した錯体が生成することを見出しました。興味深いことに、この反応は酸素存在下で著しく反応が加速することがわかり、光励起された白金錯体から溶存酸素へのエネルギー移動が光反応を駆動させる重要なステップであることがわかりました。この光による新しいC-N共有結合形成は錯体を活用した錯体オリゴマーやポリマーなどの新しい機能性材料開発へつながる反応と期待されます。

このページの先頭へ